財布を盗んだ相手に自白させた、感情コミュニケーション
更新日:2022年9月19日

社内コミュニケーション大全:2022/8/14
▶━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◀
▶【1】本日のタイトル
▶【2】今日の記録
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■この記事は、エンジニアなどの予備知識がない人でも
職場での社内コミュニケーション、メールスキル、経済、政治、会計など、ビジネススキルにもっと気楽に触れてほしい。という想いで書いています。
ビジネス・アレルギーを払拭していただければ嬉しいです。
―――――――――――――――――――――――
【1】財布を盗んだ相手に自白させた、感情コミュニケーション
―――――――――――――――――――――――
■こんにちは。株式会社TEAM-IN(チームイン)
桐生宏樹です。
前回の続きです。
「あなたはどちら?感情派?理論派?コミュニケーションを理解する2つの視点」
前回の記事においてコミュニケーションは
「論理」と「感情」に切り分けが重要であり、
感情なきコミュニケーションは成り立たない。
人間には感情と理論、どちらかに傾く特徴があり
桐生の場合は「7:3」と自己診断。
感情派の人には、
感情に寄り添うコミュニケーションがとても重要ですし
論理派の人に論理を疎かにしてはすぐに穴を指摘されてしまう。
このようなお話をさせていただきました。
今回はその続き、感情コミュニケーションが
どのような効果をもつのか?
もっというと、どのぐらいの威力を持つものなのか?
2つの事例をご紹介いたします。
■そもそも、わたしが感情コミュニケーションの
重要性に気づいたきっかけは、10代、20代と大きく2つあります。
・10代の学生時代、財布を盗んだ人から自白を引き出したとき
・20代家電量販店時代に、クレーム対応をしたとき
この2つです。
まずは学生時代のころのお話をさせていただきます。
学生時代、友人がスクールバスにのっているとき
財布を盗まれたことがありました。
ちなみにそのスクールバスは席がいっぱいになると
立ち乗りでぎゅうぎゅうになるまで、学生をつめこみます。
立ち乗りでぎゅうぎゅうになっているバスの車内で
友人の財布が盗まれました。
長財布を後ろポケットにいれるという
盗んでくださいといっているような状況でした。
友人はすぐに財布がないことに気づき、
「財布がない!誰だ!」と、大きな声を出しました。
バスの中はざわつき、まわりも協力しますが見つかりません。
■後日、検証した結果、
友人の立ち位置、席の関係で、犯人と思われる人物(仮称:佐藤)
特定できました。
ですが、肝心の証拠がありませんでした。
そこで友人は自白を促すべく、
直接「オレの財布を盗んだだろ!席順からして盗めるの、オマエしかいないんだよ!」
と、佐藤につめよりました。
当然、相手は反発します。
「ふざけるな!いいがかりはよせ!」
感情的につめよっても
感情的に返されるだけで相手は認めませんでした。

■そこで、友人は、わたしと作戦会議をおこない
方法をかえることにしました。
後日、また犯人と思われる人のところにむかいます。
「なんだ、またかよ、しつこいぞ」
と佐藤から嫌味を言われますが
友人はこう切り出します。
「実は、オマエが盗った瞬間をみたヤツがいて、証言してくれた」
佐藤はすぐにきりかえします
「誰だ、そいつは」
「匿名を条件に教えてもらった。だからいえない」
友人の回答に佐藤はいいます
「いいかがりだ、本当にいい加減にしろ」
ここから、友人は前回とは違う形で切り込みます。
「あれは彼女からもらった財布で、本当に困っている」
頼む、なんとか認めてくれないか彼女も悲しんでいるし、自分も本当に困っている」
「・・・」
「ここで自白してくれて、返してくれれば、ここで終わりだ、警察や学校側にもいわない」
「いや、でも・・・」
佐藤は急に言葉に勢いをなくします
「たのむよ、自分はただ謝罪と財布が戻ればいい。それだけだ」
「あぁ、わかったよ。申し訳なかった、認める」
その言葉は、ポロっと佐藤からこぼれ落ちるような
小さな声でした。
そして、実際に財布は返却されました。
――――――――――――――――――――
席順(理屈)や怒りだけをぶつけても物事が進展しないとき、
相手の感情面に訴えるようにする。
この成功体験はとても大きかったです。
ちなみに、友人が見ていた。という証言は作り話です。
相手に自白させるためについた嘘だったのです。
■このエピソードは社内コミュニケーションの観点でも重要です。
財布を盗んだ、盗まれた。
このような話は少ないと思いますが、一つ言えるのは
理屈で話が進まない場合、
感情面での依頼は極めて有効である。ということです。
たとえば、「お願い」という言葉です。
これは感情コミュニケーションの代表です。

■これも実際にあった例です。
「あのソフト導入の件、まだ約束もしたわけじゃないし、
あの話はなかったことにしてほしい。金額高いと思うし」
と上司からのメールで一方的に通達を受けたエンジニアがいました。
こまったエンジニアは、上司に理屈で返してもまた理屈で返されると判断。
電話でこう切り返しました。
「はい、仰せの通りです。だからこそお願いなのですが・・・
実は現場メンバーはとても楽しみにしておりました。
こちらでももっと安いソフトがないか?探してみますので、
条件をまずは見て頂けませんでしょうか。なんとかお願いします」
と、上司に妥協案を提示しました。
結果、無事、ソフト導入が進んだ。という事例がありました。
■理屈をこねる人に理屈で返すのは得策とはいえません。
なぜなら、相手に警戒させ、さらなる理論武装をさせてしまうからです。
まさに「社内裁判」のような状況となり、自分がただしい、相手が間違っている
の水掛け論になってしまいます。
裁判ならそれでいいかもしれませんが、開発現場、ビジネスの現場で
そんなことをしていたら、時間がいくらあっても足りません。
理屈をこねる相手にこそ、
感情コミュニケーションを重要視していきましょう。
今日も社内コミュニケーションを大切にしていきましょう。
―――――――――――――――――――――――
【2】今日の記録
―――――――――――――――――――――――
本日は地元の友人たちとBBQ、そしてなんと明日も
中学校時代のサッカー部のメンバーとBBQ。
季節とはいえ、お盆休み中の1週間でBBQ4回目です。笑
こんなときこそ、胃腸薬とヘパリーゼの出番ですね。
―――――――――――――――――――――――
1on1ミーティングの代行による現場初の組織改革「らせん面談」
1on1ミーティング導入などでご興味があれば、ぜひ当社をご利用ください。
株式会社TEAM-IN(チームイン)https://www.team-in.net
―――――――――――――――――――――――